マックファッションの鍵となるのは、常になじみの存在でいるということだ。服というのはリスクのないベーシックと、平凡を嫌った、あくまでもその時の流行にこだわったものに分かれる。「GAPは比較的リスクがないし手頃だね」。ロサンゼルス在住の二四歳の建築家、ブレナンが言う。「これといって特別なところがない。反対に、ディーゼルみたいな店は、もっと高くて。ファッショナブルだけど、誰でも着られるわけじゃない。とにかく値が張るし、GAPなんかよりもスタイルが限られているからね」。安心感を持てるのは服ばかりではない。ショッピング体験そのものもまた然り。ルーシルクのような豪華レストランで食事をするには、四つ星フレンチを食べられるだけの予算以外にも、それなりのテーブルーマナーや相応しい装い、物腰が必要だが、マクドナルドでの食事ならポケットに小銭が入っていればいい。同じように、気取ったブティックでのショッピングには、ある程度の洗練が必要なのだ。それは恐ろしいことだってある。カッコよすぎる店員に睨まれたり、服が合わなかったり、自分のサイズが二八か三六かわからなくて恥をかいたり。「格上の」ブティックでは、ハンギングフックに非の打ち所のない上等な服がまばらにかけられている場合が多い。こわごわ入ってきた一見客は、まるでガラス棚いっぱいに磁器の人形が危なっかしい感じで置かれている店にいるような気分になってしまって、試着はおろか、怖くて服に触ることさえできない。