教科内容が30%削減される小学校の算数について考えてみることにします。「不等号の式」は1970年代になってから入ってきた項目ですが、他の項目との関連性が薄く、削除されても何の問題はありません。また度数分布も同様に、高校で「統計」として習った方がよい項目なので、これも削除されてよかったと思います。しかし、図形の「台形や多角形の面積や正多角形」が削除されたのは残念でなりません。これらの学習項目は、授業のやり方しだいで決して難しくなく、むしろ子どもたちに創造力を使わせるとてもよい教材だったはずです。これではますます、じっくり物事を考える子どもが少なくなってしまいそうです。これらは、塾など学校外の教育でフォローしていくべき内容であり、削除されてしまった「比の値」も、せめて中学生へ移行させることをするべきです。「文字式」・「図形の合同」・「柱体とすい体の表面積(立体図形含む)」・「図形の対称」・「縮図と拡大図」・「比例と反比例の式」などは、中学に移行されてよかった項目といえるでしょう。以前から中学校と重複していた項目ばかりですから、まとめて中学で学習する方が効率的ですし、学習効果もあるはずです。場合の数などは、中学というよりも高校に移行させた方がよいと思うぐらいの内容ですが、がまんどころかもしれません。全体的にいえば、小学校で習う算数はたいぶすっきりしました。このカリキュラムで基礎学力が落ちるという心配はあまりないはずですが、考えさせる学習項目、創造力が必要とされる問題がかなり減少しているのが気になります。これでは中学受験をする子どもとそうでない子どもの学力差が、今以上に開くことになりそうです。抽象的な思考が必要である項目がかなり削除されたので、普通に公立中学に行く子どもの場合も、困ったことが起きる可能性が大いにあります。
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