南下するにつれて、バスのサービスはますますよくなっていった。武漢から乗ったバスは、もちろん、ビデオ、トイレ、水、空調というすべてを備え、車内は禁煙だった。それに加え、軽食まで用意されていた。煎餅、クッキー、梅……が入った袋を、車掌が乗客に配ってくれたのである。ビデオで上映される番組もバラエティに富んできた。このバスでは日本が満州国をつくった時代が舞台となったドラマも流れた。アクションものだったが、そのなかで日本軍の兵士はばったばったと殺されていた。
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それを僕らは中国人と一緒に眺めるという妙な時間だった。広州から乗ったバスでは、日本の『呪怨』が流れた。僕はこの種のホラーものが苦手なのだが、困ったことにこのビデオは字幕型で、日本語が耳に届いてしまうのである。バスのなかは暇だから、僕もつい観てしまったのだが、あれはバスのなかで放映するようなビデオだろうか。車窓には中国南部の明るい風景が広がっているのだ。そのギャップがどうしても埋まらなかった。