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ドスの利いた回り方をする

ヨーロッパでも、フェラーリが328に代わるまったく新しい8気筒ベルリネック、348tb/tSを世に送り出していたし、ポルシェはそれまでの930シリーズに代わる964シリーズのカレラ4を前年の88年に発表、89年にはその後輪駆動バージョンであるカレラ2を発売していた。という具合に、本場ヨーロッパでも日本でも、新世代のスポーツカーのニューモデルが続々登場したのが89年という年だった。しかもこれら89年生まれのスポーツカーたちは、それから14年が経った今日でも多くの人々に愛され、その多くが現役として元気に路上を走り続けているのだから凄い。そこで今から13〜14年前のことを振り返ってみると、少なくとも当時出現した日本車のなかで僕に最もディープな感動を与えてくれたのは、NSXでもロードスターでもセルシオでもない、R32GT‐Rだった。初めてそのステアリングを握ったのがいつだったか、それははっきり覚えていないのだが、しかしそのときの感動がどんなものだったかは今も身体が明確に記憶している。R32GT‐Rがドライバーに与える感動の源は、まずエンジンだった。その回転感はそれまでのどのクルマでも味わったことのないものだった。それを的確に表現するのは難しいが、スロットルレスポンスはいかにもスポーツエンジンらしくビビッドで、踏み込むとシャープに反応してツインターボらしい図太いトルクを膨らましていくのだが、しかしその感触には軽々しさはまるで感じられなかった。反応は鋭いが、しかしある種の重量感を意識させる、ドスの利いた回り方をするのである。

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