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家庭は学習の場ではない

量の問題もあります。ふつうに生活していると一日に三食とることになりますが、勉強をやらせたくてしょうがない親は一目に十食以上無理やり食べさせようとしているようなものです。「起きている時間はひたすら食べつづけなさい!」これでは、拷問以外の何ものでもありません。植物を枯らしてしまう原因でもっとも多いのは何だと思いますか?水と肥料のやり過ぎです。どうしてお腹がすくまで待ってあげられないのでしょうか?どうしておいしく食べられるように料理の工夫をしてあげられないのでしょうか?子どもが学校や塾に行っている間、ひたすら、教材とテストのチェックをやり、「帰ってきたら、夕食までに、面積の問題を二十題、食塩水の問題を二十題、場合の数の問題を二十題やらせて、漢字の書き取りを二百題やらせよう。夕食が終わったら、寝るまでに、模試のやり直し四教科分をやらせて、滑車の問題を二十題、てこの問題を二十題やらせて、東北地方の農業のまとめをやらせよう」なんて親が手ぐすねを引いて待ち構えている家に子どもは帰りたがりません。いろいろな理由をつけて帰宅時間を少しでも遅らせようとします。塾の場合、もっとも都合のいい言い訳は「残って質問をしてた」です。こう言えば、たいていの親は追及をあきらめます。でも、これは子どもが悪いのではありません。親が前提を間違えているのです。家庭は学習の場ではありません。くつろぎ、安らぐ場なのです。子どもは日々、学校や塾で精いっぱい戦っています。本来なら、一刻も早く家に帰ってくつろぎたい。「ただいま〜」と家に帰ると、「おかえり!おつかれさま。おやつ用意してあるわよ」と母親が優しく迎え入れてくれれば、無意味な言い訳をでっちあげ、帰宅時間を遅らせる必要なんかないのです。