ある程度、年のいった、いろいろと人生のわかった女がやるから意味がある、「コケットリー」。ミニスカートの似合う体形、たくさんのアクセサリーを重ねづけしても重くならない髪形やメイクのバランス感覚、小さい顔に花の唇。いつも愛されたいという気持ちが原動力になっている、パリの大人の女性たち。彼女たちは、誰もが一見してわかる可愛らしさや媚びを美の領域にまで高めた、甘さのオーラを全身から発していた。表面に表れるかたちはまったく違うが、女性としての迫力は、ミラノでも同じように感じていた。仕事を通じて出会った数多くのおしゃれなミラネーゼの中で、特に印象の深かった三人の女性がいる。ひとりは家具のプロデューサーであるマッダレーナ・デパドバ。ミラノの中心地に大きな店を構え、日本にも家具を輸出している。そしてエレウノ社のオーナーデザイナー、グーフツィエラーロンキ。三人目はアクセサリーデザイナーのドナテッラ・ベッリーニである。この三人はそれぞれはっきりしたスタイルをもっていた。